社長のあり方(器)が業績を決める

それでは本日もお話を伺っていきたいのですが、まず1つ目に、「社長のあり方がどのようにメンバーと組織に影響を与えるのか」ということについて教えてください。

石山:自分でルールを作るのが経営者ですけど、会社のルールを作っておきながら自分は守らないという社長と、きちんと守る社長とでは、組織は全く変わってくるんですよ。例えば、朝がすごく厳しい会社では、遅刻したら時給から何割か引くみたいなところもあるじゃないですか。でも、社長は余裕で遅れてくるとか。遅れてきても社長は自分の給料を引かないでしょう?いろいろな細かいルールを作るわりに、それを守らない社長って、それを見ている取締役はどう思うと思います?

中川:よくは思わないでしょうね。

石山:社長が守っていないから、俺たちも守らなくていいと思いますよね。そうすると、例えば、朝10時出社として、10時に来なくていいんだと、取締役も好きな時間に来始めるんですよ。その取締役の行動を見ていて、その下の部長たちはどう思うと思います?

中川:きっと同じように思うでしょうね。

石山:上司がああだから自分もいいよねとなりますよね。部長を見ている課長は?課長を見ている社員は?って、要は上司や親の背中を真似するように、ルールを守らなくなるんですよ。それで、いくら社長が「何だ、お前ら。ルールも守らないで」と言っても、いや、それはあなたが守っていないからですよって(笑)逆に、ある経営者が「こういうことをやったら3日間自宅謹慎です」みたいなルールを作って、自分がたまたまそれをやってしまったので、本当に3日間休んだ社長がいたんですよ。それを見た投資家が「この人は偉い。こういう会社は絶対伸びるから」と言って、出資が増額になったという話がありました。投資家はそういうところを見ているんです。

中川:そういう場合に、「従業員と取締役というのは立場が違うんだから、自分たちは時間に縛られる必要がなくて、成果を出せばいいんだ。だから、時間を守らない」と言う人もいるじゃないですか?そういう言い分に対して、石山代表はどうお考えですか?

石山:それは、取締役と従業員と離れてみるとそう思うかもしれないですけど、その従業員は上司の課長とか係長を見ているわけじゃないですか。課長は部長、部長は役員を見ているので、結局伝わりますよ。

中川:いくら言い分がそうでも、結局は伝わってしまうということですよね。では、自分で作ったルールを守れないと、組織に悪影響が出るし、守れば守るほど良い影響が出るということですね?                                          石山:そうですね。自分が作りたい世界があると思うので、その作りたい世界を自分で作っているのが経営者なので、その世界観とかルールを守らないと当然壊れますよね。

中川:なるほど。分かりました、ありがとうございます。

会社の成長=経営者の成長

小川:「会社の成長=経営者の成長」とは一体どういう意味なのですか?

石山:よく「経営者の器」って言うじゃないですか。経営者の器が大きくなると、会社の売り上げが上がると思いませんか?自分のステージが変わると、出会う人が変わりますよね。

例えば、「俺の言うことを聞け。俺の言うとおりにしろ」と言っていたのがあの南原さんなんですけど、「お前らは働いているんじゃなくて、俺から働かせてもらっているんだ!土日だろうが夜だろうが、仕事なんだからやってこい!」みたいにとにかくパワハラをやっていて、当時従業員を200何十人抱えていたのが、彼が駄目になった途端、皆離れていってしまって、彼がホームレスになったときも、誰も声をかけてくれないわけですよね。そして、「あいつらは無能だ。俺の指示が有能なんだ」とずっと言っていたのですが、元従業員たちが他の会社にうまいこと入っていくのを見て、「何だ、皆有能じゃん」とそこで気がついたわけです。だから、考え方というか、捉え方が変わると、周りに集まる人が変わってきますよね。

ブラック企業のパワハラ上司の下に就いている人なんて、よほど自信がなくて、他に行く場所がない人なんだろうなと思いがちですけど、そういう場所にも優秀な人はたくさんいます。ということは、優秀な人に来てもらおうと思ったら、自分自身が優秀な上司にならないといけないので、自分が成長しないといけない。優秀な人が来ないと会社が成長しませんから、結局、経営者の成長が会社の成長につながるかなと思います。

小川:なるほど。経営者自身のお金稼ぎに付き合わせていたら、会社は大きくならないということですか?

石山:そうですね。例えば、あなたの上司が「俺が昇進するために営業成績を上げろ」と指示してきたら、やる気になりませんよね。でも、「お客様の幸せのために一緒にがんばろう」と言われたら、やる気出るじゃないですか。だから、同じ数字を頼むでも、同じ業務を指示するでも、言い方1つでやる気が変わりますよね。なので、経営者として、どういう伝え方をするかというコミュニケーション能力の部分もとても重要ですね。

小川:例えば、町の中小企業のおじさんとソフトバンクの孫さんは、やっぱり人として大きな違いがあるということですかね?

石山:あると思います。実際、堀江(貴文)は60過ぎの記者から「社会経験で30年以上差があるんだから、少しは年上のことを敬え」と言われたときに、「いや、人生の濃度が違うでしょ!」と返していたんですよ(笑)

孫さんのように、あれだけ濃度の高い人生を送っていれば、普通の人が10年で経験することを1年で経験できてしまうわけで、言い方は悪いですけど、のらりくらりとサラリーマンかOLを続けてきたような30年間と、色々な修羅場をくぐり抜けて、色々な人間関係の問題にぶつかって乗り越えてきた3年間、多分同じぐらいの濃度になると思うんですよ。大事なのは年齢ではなくて、その人の成長の度合いなのかなと思います。

小川:中小企業の経営者が自分の会社を伸ばそうと思ったときに、1番いいアプローチは自分自身を見つめ直して、自分を成長させることなんですか?

石山:その通りだと思います。実際に、ホッピーだったかな?今、若い女性が経営しているのですが、その人が継ぐ前と継いだ後で違いがよく表れているなと思いましたね。つまり、2代目で伸びる会社っていうのは、2代目の経営者が前の経営者と違うことをやったから伸びたんですよね。

小川:確かにそうですね。

石山:それは経営者が違うから伸びているわけじゃないですか。単純に自分たちが成長して、人として変われば会社が変わるっていう分かりやすい例かなと思いますね。

小川:すごく分かりやすい!

経営者が成長する為に必要なこと

小川:会社を成長させるためには、経営者自身が成長しなければならないというお話でしたが、具体的にどうやって成長すればいいんですか?

石山:自分の魂が何を望んでいるか、それを見つけることですね。

小川:魂ですか?

石山:人間は考えて動く生き物なので、これ儲かりそうだなと思って事業に手を出したり、しがらみがあるために義務感から仕事をしたりということがよくあります。

しかし、そういった条件が全く関係ないときに、自分は何をしていると楽しいのか、心が喜ぶのかというのを観察して、見つけることが大事です。その対象は、研究開発でもプログラミングでも営業でもものづくりでも何でもいいんです。そういうのを見つけている人って、がむしゃらになれるんですよ。そうすると、一人前とかプロとか匠になっていくじゃないですか。経営も一緒で、自分はこの人を助けたいという思いが明確な人だと、どんどん成長していってファンも集まるけど、うーん、何かよく分からないなという状態で走っていても、やっぱり求心力はあまりなくて、そんなに成長もない。

例えば、コーチングをやりたいとします。そしたら、コーチングをやりたいと思っているクライアントに会いに行くじゃないですか。そこで仕事が生まれて、コーチが成長していく。これがしたい、こういう人と出会いたいというのを見つけたときに機会やチャンスが生まれるので、結果、人として成長できるわけですよね。

小川:やっぱり経営者になればなるほど、自分と向き合う作業というのは必要なんですかね?

石山:1番大事だと思いますよ。プロゴルファーなどのトップアスリートも身体のトレーニング以上に心のトレーニングをしていますよね。経営者も数字が伸びてきて売り上げが増えれば増えるほど、自分のあり方や自己認識を深く見つめて、心の中のメンテナンスをしないと絶対崩れると思います。

小川:自分自身を見つめて内省化していく、自分が本当にやりたいことを自分に問いかけていくことで成長できるということですね。石山代表がおすすめする自分との向き合い方があれば教えてください。

石山:僕、大体3日に1回は日記をつけているんですよ。本当は、毎日つければ1番いいんですけど、忙しくて忘れてしまうので。このときに、何が起きたかを書くんじゃなくて、どう感じたかを書くんです。そして、1日1つ自分の気づきを色が違うボールペンで書いています。人に出会ったり仕事をしたりしていれば、何か気づくことや感じることがあると思うので、自分が何を感じて、あのときに本当はどうしたいと思ったのか。まあ、好き嫌いですね。これはいいけど、これは嫌だなと思ったとか。そういうことを観察していくと自分がどうしたいのかが見えてくるんですよ。

小川:日々気づいたことを紙に書き出すのがいいということですね?

石山:そうです。伸びていく経営者って皆、「今のテーマは?」と聞くと大体ポンと答えが返ってくるんですよ。今月とか今年の自分の課題はこれだとか。今、これに取り組んでいるとか。普段から内省していないと今の自分の課題とか、好き嫌いを聞かれてもすぐには出てこないですよね。だから、内省する習慣をつけるのはこれからもマストかなと思いますね。

小川:経営者が自分自身を成長させるためには、内省化が必要であるということですね?

石山:そうです。ハーバードビジネスレビューが出している「セルフアウェアネス」という本があるんですよ。セルフアウェアネスは「自己認識」という意味なのですが、2020年代のリーダーシップの必須科目だと言われているんですね。これはイケてるベンチャーの経営者たちの間では共通認識になっています。

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ライブドアのメディア事業をゼロから立ち上げた経験(6名→600名)のある石山喜章が、御社の組織づくりに関する課題を解決します。成長企業に必要な「理念・バリューの再構築」、「評価制度の設計」、「幹部人材の育成」など、業績の上がる組織を創りたい経営者の方はご相談ください。

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