潜在意識は理解できれば、誰でも使いこなせる

できないという思い込みを捨てる

急に潜在意識を自覚しろと言われても「どうすればいいのかわからないし、できないよ」と思われるかもしれません。具体的な方法は第3章で説明をしますが、もしも、「自分は変化できない」という思い込みがあるのであれば、まずはそれを捨てることが必要になります。

人間の活動には、「意識的」「無意識」の2つがあります。

たとえば、ペンで字を書くことは意識的にやっていることです。
しかしながら、心臓の動きを意識的に止めたり、血液の流れを自分で調節したりできないように、無意識で行われているものもたくさんあります。

そう考えますと、私たちが無意識で行っているものに自分でアプローチするのは難しいようにも思えるのですが、実は「無意識」にアプローチできる方法もあるのです。

まず、無意識には次の3つの深さが存在します。

1、 経験が蓄積されたことによって無意識に移行したもの
2、 生まれてから死ぬまで無意識に続く生命維持に必要な活動
3、 すべての生命を成り立たせている集合的無意識(オリジナルマインド)

 このコラムで取り上げるのは、私たちが比較的アプローチしやすい、1つ目の「経験が蓄積されたことで無意識に移行したもの」即ち潜在意識です。

 潜在意識を変える方法は、まず「仕組みに関して理解すること」、そして「トレーニングによって意識せずともできるようになること」です。自分の無意識を意識化できるので、何をどう変化させればいいのかわかるようになるのです。
 
 たとえば、一流のアーティストは、作品を一目見て、「この作者にはセンスがある」と見抜くことができます。

 しかし、その理由が何なのかまではうまく説明できないといいます。

 また、プロのスポーツ選手としてすごい成績を残しても、人に教えることは苦手という選手は少なくありません。「なぜ、そんなに上手にできるの?」と聞かれても「なんとなくできるから」としか言いようがない訳です。
 
 一方で、セールスやコンサルタントの仕事をしている人は、顧客の潜在意識を言語化したり、見える化したりすることを日頃トレーニングしています。そのため、気づけばいつの間にか潜在意識を扱えるようになり、お客様との人間関係もうまくつくれているのかもしれません。
 このように意識していたことが無意識になるということは、良いことばかりではありません。人や物に対する思い込みが無意識にトラウマのようになってしまっているため、自己イメージを変化させることができない、ということも起こります。

 なので、無意識になってしまったことを意識化させる仕組みを知ることで、自分の思い込みを根本から変え、なぜそれができるようになったのかを人に伝達できるです。

大学陸上部の事例

 では、ここからはさらに具体的な例で解説を行います。

 とある大学陸上部の練習中です。Aさんは陸上部OBで時間が空いた時、現役生の練習にちょくちょく顔を出しては自分の意見を伝えています。主将のBさんは、部員を代表してAさんの話を聞いています。

A「いいか、最近の若いのは元気がないからもっと練習で声を出していかないと」

B「は、はあ…。」

A「元気が無いから、思うような結果が出ないんだ。俺の時はもっとな…。」

B(また始まったよAさんの根性論。)

A「だから、もっと元気よく練習するんだよ」

B「ちなみに、Aさんの練習計画ってどんな風に立てていらっしゃったんですか?」

A「練習計画か…。もう50年も前の話しだからな…。忘れた。」

B(忘れたんかい!)

A「いや、それよりもっと飲みに行ってよ、部員の親睦を深めて…」

B「もっと役に立つ話し聞かせてよ…。」

A「ん?なんか言ったか?」

B「いえ、なんでもありません。」

A「だから俺が言いたいことはな、もっと箱根駅伝を見ろってことなんだよ。」

B(そんな話だったかこの会話?!)

A「いまのA大学みたいにな、もっとこう華やかに元気よくさあ…。」

B(いつになったら終わるんだ…。)

さて、いかがでしょうか?Aさんも大学陸上部時代、様々な苦労を積んできたはずです。その中で得た経験やスキル、マインドに関して今の現役生にも役に立てる話ができるはずですが、整理して言語化できていないため、Bさんにはただの根性論、めんどうなOBさんとしかその眼には映っていません。つまり

① Aさんが無意識にできていたスキル、知識を意識化することができない。
② 意識化することができないので、言語化ができず精神論しか出てこない。
③ 言語化できないので、Bさんへの指導ができない。
④ Bさんに、指導ポイントを伝えられない。

Bさんから見たAさんは、どのように感じるでしょうか?

① 根性論しか出てこないので、Aさんが何を伝えたかったのかわからない。
② 何が言いたいのかわからないので、Aさんとのコミュニケーションにストレスを感じる。
③ Aさんとの会話を打ち切って自分の練習に戻りたいと考えてしまう。

Aさんの指導を早く終わらせることに集中してしまっているので、お互いにムダな時間を過ごすことになってしまっています。

このままでは、Aさんはめんどうな、現役生の時間を奪うだけの痛いOBさんになってしまいます。現状ではせっかく積み上げた知識と経験が、無意識に移行してしまったので意識化することができていません。分かっているのに伝えられない、という状態ですね。意識化できなければ人に伝えることができず、宝の持ち腐れとなってしまいます。

では逆に、無意識化にあるこれまでの経験や知識を意識化して言語化し、体系的にしてまとめた場合Cさんはどんな指導になるでしょうか?

C「…。」

B(あ、C先輩だ。)

A「B、ちょっといいか?」

B「は、はい!」

A「最近、みんなで体幹トレーニングできているか?」

B「え?あー、はい、一応は…。」

A「本当か?練習の後半でフォームが崩れてきて顎が上がってる部員が何人かいたぞ?」

B「はい…。おっしゃる通りです…。」

A「練習後に追加で体幹トレーニングやってみろ。少し間に流行ったA大学の体幹トレーニングの本貸してやるから勉強してみな。俺も現役の頃は徹底的に鍛えたからな。後半の粘りで差がつくぞ。」

B「はい!ありがとうございます!」

 さて、いかがでしょう?Cさんの状態は以下です。

① これまで無意識下にあった経験や知識を意識化できている。
② 意識化することによって言語化できる。
③ 言語化できるので、Bさんへの指導が言語を通してできる
④ Bさんに、指導のポイントを伝えられる。
⑤ 結果、Bさんとの時間を有意義なものとすることができる。

Bさんも受け止め方がAさんとは違います

① 言語を通した指導なので理解しやすくなる。
② Cさんとのコミュニケーションにストレスを感じない。
③ Cさんとの指導に集中できるようになる。

このように、潜在意識を意識化するということは、言語化ができる、ということです。言語化ができれば、他人にも伝えられるようになります。

ただ潜在意識を言語化しろ、と言われてもびっくりしてしまうのが正直なところかと思います、しかし、上記の通り

1、 経験が蓄積されたことで無意識に移行したもの
2、 生まれてから死ぬまで無意識に続く生命維持のための活動
3、 すべての生命を成り立たせている集合的無意識(オリジナルマインド)

 この3点のうち、1点目は比較的扱いやすい領域になります。Aさんが1年で変化を起こせたように、誰でも使いこなせることができます。使いこなすためにはまず、仕組みを理解し、そしてトレーニングによって意識せずにできるようになることです。自分の無意識を意識化できるので、Aさんのように何をどう変化させればいいのかわかるようになるのです。

改めまして、冒頭にもどります。

急に潜在意識を自覚しろと言われても「どうすればいいかわからないし、できない」と思われるかもしれません。

しかし、「仕組みを理解すること」、「トレーニングによって意識せずにできるようになること」によって、自分の無意識を意識化できるので、何をどう変化させればいいのかわかるようになります。

ぜひ、「できない」という思い込みを捨てて私たちとともに、トレーニングをしていきませんか?

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ライブドアのメディア事業をゼロから立ち上げた経験(6名→600名)のある石山喜章が、御社の組織づくりに関する課題を解決します。成長企業に必要な「理念・バリューの再構築」、「評価制度の設計」、「幹部人材の育成」など、業績の上がる組織を創りたい経営者の方はご相談ください。

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