50→150名

小川:従業員が50人を超えて、その次は何人ぐらいで大きな壁があるんですか?

石山:よく言われるのは、150ですね。

小川:50人から150人になるまでの間でどんなトラブルが多いんですか?

石山:「ダンバー数」という言葉があります。「ダンバー数」というのはお互いをよく知ることができる上限値という意味で、イギリスの人類学者であるロビン・ダンバーという人が、人類の歴史上の色々な集団を調べ上げた結果、最も密に協力し合える集団の上限が150人であるという発見をしたんですよね。

実際、人間に最も近いチンパンジーがMaxでもっている集団って150頭ぐらいなんですよ。それまでのボノボとかは100頭とか、さらに昔のゴリラになると30頭がMaxというふうに、進化とともにつくれる集団の数というのが増えてきているんですよね。人間の場合も、150人ぐらいまでは顔と名前が何となく分かるんですよ。これが200、300を超えてくるともう覚えられないし、分からないですね。なので、この数を超えると効率性とか生産性が下がり始めるという傾向があります。

小川:150人が次のステージということですが、よく起きがちな事件のトップ3とかはありますか?

石山:起きがちな事件トップ3の1つ目が、50人を超えた頃に、人事制度が欲しいという要望が社員から出るようになります。上司の上司の上司である社長が給料を決めているんですけど、上司の上司の上司なので自分の仕事なんか見ていないし、把握していない。なのに、「どうやって評価するの?納得行かない」という不満が出始めます。なので、3階層を超えて4階層に入ってくると、制度とか給与の納得感という面で人事制度をつくってほしい、どう評価されているのか分からないというのがよく起きますね。

2つ目は、一緒に会社を立ち上げたコアなメンバーが辞めていくという現象です。50人から100数十人になるときに、優秀なミドルが入ってきますよね。一緒に立ち上げたけれども、途中で入ってきた人の方が仕事ができるから、No.2、No.3だと思ってきたのに自分の上のポジションに来てしまったりするんですよ。そして、No.2だと思っていたのにNo.3になり、No.4になり、NO.5、6、7と下がっていくのを体験すると、社長と距離ができて、何かもう一緒にやっていけないなとドロップアウトしてしまうということがあります。また、社長のやりたいことが形になっていく中で、No.2が他にやりたいことが出てきてしまった場合は、お互いの進む道が変わったから辞めるというケースもあります。いずれにせよ、近くにいたコアなメンバーが離れていくというのが100人の前に起こりやすい2つ目の事象ですね。

3つ目は、採用とか人事とか総務とか経理とか広報とかの間接部門にこの頃はあまり時間と労力が割けないので、少人数で色々なことを兼務して無理くりやっているという現象が起きやすいです。100数十人のときにありがちなのが、例えば、広報と人事はいるけれども人事戦略がないとか、営業や営業部長はいるけれども営業戦略がないとか、経理はいるけれども経理的な財務戦略がないとか、業務を担うメンバーは揃ってきているけれども中長期の戦略がないとか。だから、全員が目の前の仕事ばかり回しているという状態が100人前後で結構陥りやすくて、そこから先の成長にエフォートしたときに未来が見えていないので、「この会社にいても、キャリアが見えません」とか「将来性が分からないので転職します」と言い出す社員が出てきやすい。なので、この時期はきちんと戦略を描いて、社員に対して発信してあげることが必要かもしれませんね。

小川:人事制度と役員との別れ、戦略の不在の3つの中で会社にとって最もインパクトがあるのはどの問題ですか?

石山:やっぱり戦略の不在が1番大きいかなとは思いますね。50人から80人ぐらいまでは制度や仕組みづくり、80人から150人までは戦略が重要という感じだと思います。

小川:会社を大きくして行こうと思っている経営者は、50人を超えた辺りからどういう戦略で戦っていくのかということを考えて実行していかなければならないということですね?

石山:そうです。それと同時に、一緒に考えてくれる幹部、No.2、No.3と新しく出会うのか、自ら口説きに行くのか、あるいは、今いる人とより関係を深めていくのか、その幹部の使い方というのもここで変わってくる人が多いので、関係づくりも1つのテーマですね。

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ライブドアのメディア事業をゼロから立ち上げた経験(6名→600名)のある石山喜章が、御社の組織づくりに関する課題を解決します。成長企業に必要な「理念・バリューの再構築」、「評価制度の設計」、「幹部人材の育成」など、業績の上がる組織を創りたい経営者の方はご相談ください。

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