すべての答えは“潜在意識”に隠されている

コミュニケーション上手なのはどっち?

最初に一つ質問です。あなたなら、AさんとBさん、どちらが人間関係を上手に築けると思いますか?

《Aさん》人の話に必ず言葉でも相づちを打ち、何を聞いても笑顔でいる
《Bさん》あまり相づちは打たず、少し厳しい表情でたまに「なぜ?」と質問する

一見すると、Aさんの方が、うまく人間関係をつくれそうな気がします。しかし、実際にはBさんの方が話し相手の信頼を獲得していました。

実はこのAさんって昔の私なのですが、「なぜBさんは愛想がいい訳でもないのに、お客様はBさんの方を信用するんだろう?私の方がたくさん相づちも打って、ちゃんと話を聞いてるのに!」といつも嫉妬していました。

こうなっていた理由を、皆さんは想像できますか?

違いが生まれる理由

その答えは「潜在意識」に隠されていたのです。

まだ営業マンとして駆け出しだった頃の私は、表面的なコミュニケーションに終始して、自分が何をしているのか?さえ自覚できていませんでした。営業の先輩だったBさんは相手の潜在意識にアプローチしていたので、うまく人間関係をつくることができていたのです。

このように説明すると「専門家でもないのにどうやって相手の潜在意識がわかるの?」という声が聞こえてきそうですが、それはもっともな疑問だと思います。私も潜在意識のことを知らず、理解していなかったときは、人間関係は真正面からぶつかるか、避けるかの選択肢しか持っていませんでした。

それ以外の「方法」がわからなかったので、死ぬほど苦しみ傷ついたのです。

ですが、人間関係をうまくつくるのが「方法」ではなく、「潜在意識を理解すること」だとわかり、心のつかえがスッとなくなりました。このシンプルな原理原則を理解できている人は、すでに人間関係やコミュニケーションの本質をつかんでいて、実際にいろいろなところでいい結果を出せています。

反対に、理解できていない人は、どこにいっても成果を出せません。

人によっては自分の殻に閉じこもったり、表面的な付き合いだけにとどめたり、もっと極端になれば、「自分以外はみんな敵」という状態に陥ってしまいます。

そんな後ろ向きの人間関係を見直して、

「人間関係をよりよいものにしたい」

「コミュニケーションをもっと楽しみたい」

「いろいろな人と心の距離を縮めたい」

という方のために、当メディアでは複数の記事にわたって「潜在意識」へのアプローチ法を公開していきます。

我慢したり無理したりすることなく、自分のことを相手にわかってもらい、自分も相手のことをわかるようになる方法をお伝えして参ります。

まず今回は、営業現場でよく見かけるケースを、新人のAさんと先輩のBさんを例にとって考えてみましょう。

デキる営業とデキない営業の違いとは?

Aさんのように表面的なコミュニケーションに終始してしまうセールスパーソンとはどんなタイプの人でしょうか?たとえば

 相槌は打ってくれるが、質問には答えられない。
 いま話した要望を無視した型通りの商品説明をしてくる。
 話を聞いてくれたのはいいが、会話のポイントがずれている。
 客であるこちらの立場や状況を正しく理解してくれない。…etc

このようなセールスを、受けたことはありませんか?

20代前半の私もそうだったように、仕事を始めたばかりの新社会人に多く見られるタイプですが、新人の営業マンの場合は数字を追いかけることに必死になりすぎていて、商談時にお客様の背景まで聞く余裕がないケースもあります。

そういう場合は、まだ経験やスキルの問題なので『慣れるまで数をこなす』ということになると思いますが、問題は、営業に慣れてきたにも関わらず、表面的なコミュニケーションを行ってしまっている人のケースです。

例えば以下のような振る舞いを目にしたことはないでしょうか?

1.受注を取りたいがために、何とか相手に気に入られようと取り繕うようなコミュニケーションばかりしている。
2.自分のことばかり考えて、顧客の課題や状況をヒアリングできていない。
3.意識が目先に向いて、長期的な観点を見落としている。
4.その結果、多くのチャンスを逃している。

思い込みがチャンスを逃す

このような社員が、毎回厳しい要求をしてくるお客様に接していると「なかなか懐に入れないな・・・」「脈は無いだろう」「もう行く気がしない」と営業を続ける意欲をなくすことが想像できます。

しかし実際には、そのお客様があなたの商品を購入するために社内でプレゼンや根回しを行っており、上司を説得する材料として、いろんなデータや情報を要求していた、というケースもあります。

あるいは、稟議書を上げた後に「自分(担当者)が課題だと感じていたこと」と「上司の問題意識」が違っていたことに気づかれるお客様もいます。

その上司の問題意識を解決する鍵が、あなたの販売している商品・サービスにあるのですが、営業の視点からは「商談を重ねていくごとに方針が変わるから、疲れるなぁ」と感じたり、「このお客さんは買う気がないんだな」と決めつけてしまって、自ら商機を手放してしまう方もいらっしゃいます。

このように、

「いつ売り込もうか」
「このお客さんは話が長いなあ」
「この後のアポに間に合うかな?」

など「目の前のお客様の話を聞いているつもり」でも、実は「自分の考えに意識がいってしまっている」ことはよくあります。

これを続けていると以下のような無駄が発生します。

1. 提案書の内容が浅くなる
2. 思い込みが邪魔して、商談が進まない。
3. 時間を浪費するが結果は出ず、疲れる。

要するに、自分に意識が向いた状態でヒアリングを続けても、顧客に対する理解は深まらず、提案書を作っても内容が浅くなります。当然、プレゼンがお客様に刺さることもなく、契約は獲得できません。どのような仕事においても、自分自身の潜在意識へのアプローチができていないと、望むような結果を出すことはできないのです。

売れる営業マンの特徴

では逆に、潜在意識にアプローチができているBさんの特徴は何でしょうか?

 相づちは少ないが、いい質問をしてくる。
 商品のすべてを語ろうとせず、顧客の課題に沿った形で説明してくれる。
 商談の目的が明確で、話していてストレスを感じない。
 会話のポイントがずれる場合もあるが、都度確認してくれるので齟齬がない。…etc

といった具合です。こちらの営業マンのほうが優秀だと感じませんか?

相手に意識を向ける心の余裕を持つことで、初めてちゃんとお客様の話を聴くことができます。それが深みのある提案につながり、契約獲得へと結びついているのです。

営業に限らず仕事のできる方は、次のような行動習慣を持っています。

1.相手が本音を話しやすい安心の場づくりを心掛けている。
2.質問が上手で、答えているうちに抽象的な思考が整理されていく。
3.対話を通して相互理解を深めるので信頼関係が生まれる。

こういった人に共通するのは“考えが静か”な点です。言い方を変えれば、心に余裕がある状態とも言えます。自分の考えに意識が向いていないので、相手の話を聴くことができ、話を聴けるから信頼関係を築くことができています。

営業の成績を上げたり、仕事ができるよう成長するには、この自分の考えに囚われないマインドフルネスの状態になることが肝要です。そして、自分の意識状態をコントロールする為にも潜在意識を理解し、使えるようになることが必要なのです。

改めて、質問です。あなたなら、AさんとBさん、どちらが人間関係を上手に築けると思いますか?

《Aさん》人の話に必ず言葉でも相づちを打ち、何を聞いても笑顔でいる
《Bさん》あまり相づちは打たず、少し厳しい表情でたまに「なぜ?」と質問する

次回からは、潜在意識の使い方について1つずつ解説して参ります。

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ライブドアのメディア事業をゼロから立ち上げた経験(6名→600名)のある石山喜章が、御社の組織づくりに関する課題を解決します。成長企業に必要な「理念・バリューの再構築」、「評価制度の設計」、「幹部人材の育成」など、業績の上がる組織を創りたい経営者の方はご相談ください。

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